目が覚めると同時に激しい頭痛に襲われ驚く。

「う……なにこれ……夢? え、絶対夢がいい……」

ガンガンと響く痛みは今までに感じた経験のないもので、自分の体が心配になる。
いっそ夢であってほしいとも願ったものの、人生そんなにうまくはいかない。残念ながら現実だった。

どうしてこんなことになっているのだろうと昨日の自分の行動を振り返り……すぐに見つかった心当たりに頭痛が増した気がした。

いや、もうこの際、頭痛はどうでもいい。どうでもよくはないほど痛みはあるけれど、所詮二日酔いだ。自業自得だし、理由がわかっているなら問題ない。時間が解決する。

そんなことよりも重大な問題が浮上し、そろそろと隣に視線を移した。
けれどそこには上条さんの姿はなく、拍子抜けする。

「あれ……でも、たしかに昨日は……ん? そっちは夢?」

思考回路を働かせようとすると痛みが強まったものの、それでもなんとか昨夜のことを思い出す。

昨日、試食会を出たあと、上条さんは私を近くのバーに連れて行った。
そこで色々な話をした覚えがある。