「もしかして、手握ったことないんすか!?」

「めっちゃ初々しくて、カワイイ〜!!」


周りにいた、慧流座のメンバーが茶化してくる。

わたしは、両手で顔を覆って背中を向けた。


「おい、お前ら。あんまり俺の女をいじめるな」


千隼くんが、わたしを守るようにして抱き寄せる。


「出た〜!さっそく『俺の女』発言〜!」

「あちぃ!あちぃ!」

「おい、みんなー!総長に、女ができたぞ〜!」


ここにいるメンバー全員に聞こえるように、大きな声で呼びかけている。


ほとんどの人は今日初めて会ったばかりだけど、わたしが千隼くんの彼女と聞いて、みんな祝福してくれた。


「咲姫。なにがあっても、俺がお前を守るから」


千隼くんが、愛おしそうにわたしの頭を撫で、手を滑らせて頬に添える。



千隼くんの言葉。