「…優花。何してるの?」
「今はそっとしておいて美琴」
美琴が首を傾げるのも無理はない。
1時間目の授業が終わってみんなが楽しく休み時間を過ごす中、私は地震でもないのに机の下に避難してる。
ガラッと音を立てて教室の扉が開いた。
「あ、唯」
「!」
キョロキョロしながら唯くんが美琴に近寄る。
「アイツいる?」
「優花?うん。ここに…あれ?」
「…」
ッセェーーーーフ!!
瞬時に教室から避難した私は、
みんなに訝しがられながら廊下側から中の様子を伺う。
気持ちはくのいち。
『女』と書いて、くのいち。
そこへ通りがかるクラスの男子。
「羽根村?そこで何し…
「し!!今任務中だから!!」
人差し指を立てて注意すると、何コイツ?という目で返される。
それを無視して任務を遂行すべく、ササササッ、と低姿勢を保持して教卓の下へ隠れる。
私は今、逃げている。
唯くんから全力で逃げている。
まさかの告白を受けたあの日から、土日を挟んで今日で5日目。
私は…ずっと逃げてる。
考えれば考えるほど、気持ちがぐちゃぐちゃになっちゃって、整理できなくて。
「優花」
「!」
ゴン!
「アテ!」