重力で後ろに引っ張られるのを感じながら、

階段を折り返して登る途中の唯くんと目が合う。






あぁ、このまま死んじゃうのかな、と熱に侵された頭で思う。








天罰だ。


唯くんを傷つけた天罰が下った。







スローモーションで唯くんの目が見開いていくのを眺めながら、


今まで唯くんがしてきてくれたことを思い出す。




最初に告白してくれた時は、逃げる私を追いかけて捕まえて、まっすぐに好きって言ってくれたなぁ。


いっぱい抱きしめてくれて、いっぱいキスしてくれて


たくさんたくさん、愛をくれた。


そして、いつもピンチの時に現れて、必ず守ってくれた。




私は何をしたっけ?


唯くんにもらうばっかりで


唯くんに甘えて自由にしてただけで


唯くんを我慢させたあげく傷つけただけで






唯くん


私のヒーロー


いつでも助けに来てくれる私のヒーロー


もう ヒーローにならなくていいよ





ねぇ唯くん


私は唯くんを助けられるかなぁ














「優花ッ!!」









こんなときですら私の名前を呼ぶ声にときめいちゃうなんてやばいね、私。










大好き


大好きだよ、唯くん。



















次の瞬間、私は自分の体から鳴る大きな衝撃音を聞いて、真っ暗になった。