「…甘い」


食べるようなキスを終えた唯くんが言った。





「……あ、はちみつのリップ、かな…?」


「ふーん…」




唯くんは興味なさそうにしながらも私の頬に手を添えて、おかわりをする。





「…ん」





唯くんはいつも、

食べるようにキスをする。




それも、

優しく、優しく、食べる。






唯くんになら全部食べられてもいい



というか食べられたい






「…ん…ぅ」





唯くんのやたら甘いキスに、たまらず唯くんのシャツを掴むと今度はその手を食べられた。


思わず「あ…っ」とうわずった声をあげてしまう。




「…」




唯くんと熱っぽい視線が交わる。

こないだ行った唯くんの部屋での甘い時間を思い出して、すでに火照っていた顔がさらにブワッと熱くなった。

唯くんがフ、と笑う。




「…このあと、サボっちゃおっか?」




そう言って頬にちゅ、とキスを落とす。




「そ…れは、だめだよ…私たち受験生だし…っ」


「…ケチ」




言いながら唯くんは色んなところにキスを落としていく。



唇の横、耳、首筋、うなじ…



そのキスひとつひとつから唯くんの『好き』が流れ込んでくるみたいで


心がじわ…とあったかくなって


幸せな気持ちが身体中に充満していく