おっ。なすとピーマンが安い。

ちゃちゃっと中華炒めにしようかな?

ひき肉の冷凍があるからそれ使って、

茄子が余ったら煮浸しにでもして作り置きしとこうかなぁ。





クイッ。


「おっ?」





制服の裾をちょん、と引っ張られた。



見ると、唯くんが寝転んだまま横目で私を見てる。




「あ、ごめん。起こしちゃった?」


「…起きてた」


「え」




唯くんが起き上がって私の背中に近づいた。


フワッと唯くんの香りがする。


唯くんは顔を傾けて、前髪の隙間から私の顔をじ…と覗き見る。






「…っ」



息ができない。



付き合ってから何度もこの距離の唯くんを見てるのに


…多分、私は一生この人にドキドキしてしまうんだ。





「…」





唯くんが近づいて、

ハ、と口を軽く開いた。








食べられる