「何してんのー?」


「手入れ。」



てらちんは花壇に視線を戻して、黙々と雑草を抜いている。



「てらちん偉いね!」


「だろ?」


「お手伝いしていい?ちょっと暇なんだー」


「暇なら勉強しろ」


「言うと思った!」


私はてらちんの横に置いてあった軍手を手にはめる。


「いいけどお前、花抜くなよ?」


「流石の私もそんなヘマはしませんよ〜…おっ!?」


「!」

















「っぶねー…」




段差で足が滑ってこけそうになったところを、


てらちんがとっさに腕を掴んで支えてくれた。




「ほぁー、ビックリした〜!ありがとうてらちん!」


「…あちゃー。悪い、羽根村。」


申し訳なさそうに言うてらちんの視線を辿ると、
てらちんの軍手の泥が思い切り制服についていた。


「ありゃ。なんか泥んこ遊びした子みたい!あはは」


「無邪気なやつだなお前は…」




てらちんが濡らしたタオルで軽く拭いてくれたあと、
また上履きで滑ったら困るからと、
私は靴に履き替えて外側から花壇の手入れを手伝うことにした。