手始めに、ショートケーキ。


それからフルーツタルト、チョコレートケーキと続いて、


ミルクレープ、レアチーズケーキ、抹茶のガトーショコラ。


お皿の上に所狭しと並んだキラッキラのケーキ達。






「くぅ〜ッ!」



全人類の夢がこの一皿に詰まっている…!





「ぃやっほーぅ!いっただっきまーす!!」


「嬉しそうだね、優花」


すでにお皿の半分を平らげた美琴が暖かい目で私をみる。


私は満面の笑みでケーキを口に運んで、

「そりゃそうだよ!紫藤ユリアが本気じゃなかったんだもん!よかったよかっ……」

…口に入る直前で手を止めた。






「…ん?」





待てよ?





じゃあなんで唯くんそっけなかったの?

ユリアちゃんを拒否しなかったの?

唯くんから連絡もないし…



私はフォークをカシャンッ!と落とした。




「唯くん、やっぱりユリアちゃんに惹かれて…!?」




そうだよ、いくらユリアちゃんが本気じゃなかったとしても唯くんは知らないじゃん…!



一度上がってしまったテンションがまた急降下して血の気が引いていく。




「…それはないと思います。」