「ねぇソフィア、今日の紅茶最高だと思わない?」



私は正面に座って、一緒にお茶をしているメイドのソフィアに声をかける。

メイド服はとても可愛いのに、茶髪の髪を少しも乱れることなくひとつのお団子にまとめている彼女からは、硬苦しい雰囲気が滲み出ていた。

もちろん、私にはソフィアがただ真面目なだけで、取っ付き難い人ではなないことは分かっている。


これでも彼女は、小さい頃から一緒に育ってきた私専属のメイド。

見習いだった彼女は、いつの間にか一人前のメイドとして私の元で働いていた。

こうして一緒にお茶をするのは私のわがままだ。

初めは遠慮していたソフィアだけれど、今では当たり前のようにお茶会の話し相手になってくれている。

ひとりでお茶会をしても、楽しくないし……。


「はい。とても美味しいです」


ベタ褒めする訳でもないけれど、淡々とはっきり物事を言うのがソフィアだ。