【ウィーン……】



しばらくは、エレベーター内に沈黙の糸が張り詰めており、その機械的な音だけが、3人の鼓膜を揺らしていた。

しかし、その糸は、真紀によってプツリと切られた。



「…ねぇ、琢真。あたし達…どうなるの…?」


「…わかんねぇよ。」



琢真は真紀の方を見ずに、静かに言った。

すると、今まで一言も喋っていなかった美咲が、ポツリと呟いた。



「…死んじゃうの?」



それは、輝が死んだ時から、誰もが、



『もしかして…』



と、心の隅に置きつつも、口にできなかった言葉だった。

それを言ってしまったら、本当に自分の番が来てしまうような気がしたからだ。