『新菜の叶えたい願いはなに?』

 私の願いってなんだろう?

 それを、ずっと考えていた。

 前ならママとのことを願ったかもしれない。もっとお互いうまくいく距離でいられたらいいのにって。

 でも今は……。

「はぁ」

「なあにー? さっきから見てれば、ため息ばっかりじゃん」

「なっ……」

 後ろから投げかけられた言葉に振り向くと、ひな子と柚が屋上に上がって来ていた。その後ろから翔太の姿も見える。

「ホントー。新菜ちゃん、どうしちゃったの?」

「あ、え……別に……」

「あやし~」

 ひな子と柚が私の周りにベタリと張り付いた。