「一曲目は広川高校の校歌です!みんなも良かったら歌ってください!」

その曲紹介にドッと笑いが起きた。

「いいぞー!」

周囲から声が聞こえた。

ロックテイストに仕上げた校歌を観衆の人達は笑いながら聞いたり一緒に歌ってくれたりもした。

一曲目を歌い終わり、大きな拍手が起きた。

「今度から校歌こいつらに演奏してもらおうぜ」

周囲からの声に照れ笑いした。

歌い終わった満足感に浸る僕に

「喋れ!喋れ!ちゃんと自己紹介するんだぞ!」

剛がジェスチャーを加えながら僕に促す

「どうもー!3-ARROWSです!今日は僕達の演奏を聞きに来てくれてありがとう!ボーカルのTAKU-ROWです!」

拳を高く突き上げて言った。

僕の自己紹介に吉田さんがドラムで華を添えてくれた。

ギターの剛、ベースの和寿、ドラムの吉田さんと紹介し、それぞれに拍手が起きた。

「次の曲はコピーですが、次に歌う曲にはどうしても聞いて欲しい人がいて、その人に捧げる歌です!」

会場がざわざわする。

「え?誰?」

みんながみんなをきょろきょろする中最前列の二人が

「え!私かなー!?」

「私に告白かなー!?」

亜依子ちゃんと三宅さんがきゃあきゃあ大きな声ではしゃいでいた為、

「それは母さんです!」

言った瞬間は会場に笑い声が起きた。