午後に入り食事を済ませたみんながテントに戻ると、ざわざわ雑音が増えた。

「これを毎年楽しみにしてるんだ」

敬老席の年輩者からそう声が聞こえた。

保護者用のテントも午前中と比べ圧倒的に増えていた。

和太鼓の音が鳴り響いた。

ドン

ドン

ドン

これから応援団による演舞が始まる。

「松本君、松本君、一緒に見よ?」

大橋さんが僕の肩をポンポンと叩いて隣に座った。

「さっきのリレー、すっごいもえた!」

大橋さんが満面笑みで言った。

「うん、凄い燃えたね!」

僕も大橋さんの顔を見てそう返したがさっき大輔と会話したから余計に意識して思わずすぐに顔を背けてしまった。

顔が赤く恥ずかしそうな僕を見て大橋さんは

「鼻血出そう」

と、呟いてたので僕は慌てて自分の鼻を触った。

歓声が上がり真っ白な特攻服に身を包んだ団員達が颯爽と登場すると団長の声に耳を傾けるよう場は静まり返った。

「我ら白組の必勝を願い!」

ドンッ!

「天下無双!!」

「ハッ!!」

それを筆頭に様々な型を披露する団員達。

キレのある動きに僕を含め多くの人達が息を飲んで見守った。

「せいや!」

15分に渡る演舞にも関わらず練習に練習を重ねた一糸乱れぬ団員達の動きにギャラリーからも割れんばかりの拍手が起こった。

「やばいマジ感動した!」

団員として演舞を披露した特攻服を着てピースする剛の周りにも人だかりが出来ていた。