ウチの学校は6月に体育祭が行われる。

10月に文化祭が行われるが受験生の3年生はクラスから催し物や出店などはせずに1、2年生が主体となり3年生はお客様扱いとなる。

まあ、それでも例年やりたいと申し出をする人も少ないが居るのでそういった声には実行委員も考慮してプログラムに折り込んでくれたりもするのだがクラス全員参加のイベントは実質体育祭が最後となる。

その最後の体育祭にみんな出場競技にどれ出るかクラスの委員長を中心に話しが進められていた。

基本出る人はみんなに行き渡るよう人数の振り分けが行われてたが

全員参加と言ったがあくまで全員参加は建前上で

運動が苦手で出たくない人も居るんだから大勢の観衆が見る中で出さすのはかわいそう

などと、今の世間の風潮から一種目も出なくても良いというルールがウチの学校にはあった。

「体育祭出んの?」

剛の問いかけに

「うーん。迷惑かけるから」

僕は苦笑いして答えた。

「なんで?出ようや」

そう言ってリレーメンバーの所の黒板に剛は僕の名前を書いた。

よりによってのリレーに僕は大きく戸惑った。

「はい!?無理無理!」

「大丈夫だって!アンカー俺が走るから!」

「いやいや!本当に!」

僕達のやり取りにクラスのみんなも

「いいぞー!走れ走れ!」

野次が飛んだ。