文化祭も終わり、11月に入った。

上島君から拓郎君が私の事を愛して愛して仕方ないとの情報を耳にしてから数日過ぎた。

それからと言うものガッツリ意識してしまう。

「たたたたた拓郎くん、元気?」

「うん、元気だよ」

「そりゃあ、良い事だ!亭主は留守で元気が良いと言うもんな!」

「え?……うん?」

そんな訳わからない事まで口走ってしまうぐらい悪影響をもたらしていた。

三宅麻央に相談した。

「告れば?」

「無理無理無理無理!私にそんな度胸ないって!」

「亜依子は純情乙女なんか貫禄あるババアなんかわからない時があるよね」

「前半の例えは理解出来たが後半の例えはどう言う事なんだい?お?こら?」

相談する相手間違えたと思った。

上島君に聞いた。

「拓郎君私の事好きなんだよね?どうしたらいい?」

「あ、ああ…そう…ね。うん。何もしなくて良いんじゃない」

「あれ?どうしたの?何か元気ないね?」

「え、あ、ああ…僕フラれたんよ」

「え?あの歳上のハンバーガー屋の女性の人?」

「あれ?話した事あったっけ?うんそう…」

やったね明菜!チャンス来たよ!

いや、明菜をコイツに取られる事を考えたら逆にピンチなのかな?

「僕さ、凄い好きで叶わないとわかってたんだけどさ…」

「どうしたの?良かったら話し聞くよ」

そう言って私は詳しく話しを聞いた。

「ふぇぇぇぇん!なんなんそれ!ようやく弟から1人の男として見てもらえるようになったらフラれるとか辛いね!」

大号泣した。

「上島君は凄い凄い良い奴だから絶対この先幸せになれるよ!私で良ければいつでも力になるからね!」

やっぱり私は情に弱いようだ。

そして上島君いわく、拓郎に告白させるよう仕向けてるからそのまま待機しとけば万事OKと教えてもらった。

なんなんコイツ最高やん。ずっ友やん。

私はもう二度と上島君を悪く言わないと神に誓った。

上島君を傷つける奴は何人たりとも許さないと思った。