「メリークリスマス!」

私はクリスマスイヴの夜、修平君とご飯を食べに街へ来ていた。

「ここのアヒージョが美味しいんだよ」

「ほんとだ、美味しい!アヒージョに浸すパンも美味しい」

「ありがとう!そう言ってもらうと作りがいがあるよ」

訪れたのは街中にある小洒落たお店。

お店のマスターは修平君の先輩らしく親しげに話をしていた。

「これ、俺からのサービス。クリスマスプレゼントと思って」

「わぁ、可愛いお菓子!ありがとうございます」

置かれたのは甘いラスク。

「えー!ヤバいぐらい美味しい!」

私は足をバタバタさせて喜んだ。

チョコやバニラ味も有ったが私は甘酸っぱいイチゴ味が1番好きだった。

「今日は機嫌良いんだね」

修平君に意地悪そうな顔で聞かれた。

まあ前回の合コンで相当態度悪かったからそう言われても仕方ない。

「まあ、今日は流石にね」

「そっか、良かった」

修平君自体イケメンだしオシャレだし歳上だけあって、たしなみもあるし会話から大人の余裕もあるように感じる。 

きっと普段からモテるんだろうなと思った。

「ねぇ、なんで私とクリスマスイヴに?」

私は疑問しかなかった。

前回で最悪な印象を与えたのに今日ご馳走してくれたのか。

「んー、単純に好きな顔だから」

「え!?」

「ほら、笑ったその顔も可愛い」

一歩も二歩も大人な修平君に魅力を感じた。

「修平、良い奴だからよろしくね」

お会計の時、マスターに言われた。

「そんなの言ったらこの後、告白した時に断りにくくなるから言わないであげてくださいよ」

2人のそんなやり取りにくすりと笑った。

「彼女若そうだけど何歳なの?」

「あ、先日17歳になりました」

「お前!女子こっ……」

マスターの女子高生相手は犯罪って言いかけた言葉に修平君は苦笑いしてた。

お店を出た後、この後どうするかと話しになったが私が今日はもう帰りたいと言うと修平君は快く承諾してくれた。

「今日はありがとう」

「あ、車で来てるから家まで送ってくよ」

私はお言葉に甘えて修平君の停めてる駐車場まで行った。

「どうぞ」

「ありがとう」

家の車以外の車に乗り慣れてない私に助手席を開けて乗せてくれた。

そして父親以外の男性が運転する車に乗るのは初めてで緊張した。

エンジンが掛かり修平君はアクセルを吹かした。

ブォン

ブォン

ブォォォォン

(あれ?なんか気持ち悪い)

出発した瞬間、一瞬だけだがお股がヒュンとした。