2年生の夏休み

バスケ部の試合が私が通ってる青山中学に他校を招待してある為学校に来ていた。

「西村?」

「………」

「西村亜依子!」

「あ、ああ、私か!」

もうすっかり旧姓で呼ばれる事がなくなったので反応が悪かった。

島田紳助がテレビで

「ワシの事を長谷川って本名で呼ぶ奴はろくな奴が居ない」

と、言っていて少し同じ気持ちになった。

呼んだ方に顔を見ると同じ小学校だった栗原君だった。

髪は茶髪でなんか悪そうになってた。

(え、ヤンキーとかひくんだけど)

小学校から風貌が変わっていたので若干ひいた。

ちなみに栗原君は小学校時代は私の事が好きだったっぽいから私が命令したら簡単に動くんじゃないかと思ってしまう。

まるで下僕を見るような気持ちだ。

「どうしたの?久しぶりだねっ!」

ハイパーぶりっ子で対応した。

「お、おおう!久しぶりっ!」

栗原君のもの凄い嬉しそうなニヤニヤする表情を見て、もろたな中学でも下僕は継続やなと思った。

「あ、バスケ部なの?じゃあ今日試合?」

「うん、そう!西村もバスケ部なんだね」

「うん!一緒だね!試合頑張ってね」

「おう!応援してな!」

いやぁ、あのからかい坊やも成長したもんだ。

「西村もバスケ部なんだね」の『ね』なんかあんた可愛い語尾使えるんだなおい!

すっかり思春期の純情坊やに成長してるじゃないか。見た目は変だが。

感慨深い気持ちになった。

すると学校の渡り廊下を一人で歩いてると

「ねえねえ君可愛いねどこ中?ねえねえ無視しないでよねぇ?」

と、言ってくるので最近の中学生は試合会場でナンパとかするのか、凄いなぁと思って適当にあしらおうとした。