中学1年生、私、大橋亜依子が好きな物はあまり多くの人に共感されない。

そしてよく変わり者と言われる。

好きな戦国武将は毛利元就

好きなお札の人は夏目漱石

好きな天気は雨

好きなデザートは干し柿

「えーじゃあ、それっきり会ってないの?」

「うん、たく君に一言しかお礼言えないまま終わってしまった」

「違う違う!翔君よ!」

「あぁ、翔君ね、存在すら忘れてたわ」

小学生時代の友人の田中明菜と電話してた。

「ちなみに明菜はどうなの?カッコいい人居た?」

「女子中に居るわけないじゃん!」

明菜は中学受験をして見事念願のお嬢様学校に合格した。

「あ、でも近所の中学生にかっこいいなって思う人は見かけて。受験してなかったらそこに進学してたから少し残念に思えて…」

「え!うそ!どんな人?」

「なんかね、多分見た目からしてヤンキーなんだけど顔が凄いイケメンで」

「やめときな。悪い人達、やめときな」

「なんかその言い方五七五みたい」

明菜に変なのが寄り付かない事を切実に願った。

じゃないと、あんた何の為にお受験頑張ってお嬢様学校に行ったんだい?

せっかく良い学校に行ったのに変なのと付き合ったらわたしゃ泣くよ!

そう言いたくなる気持ちをグッと我慢した。