「先輩達のおかげで学校が楽しかったです!ありがとうございました!!!」

鼻水ズビビビビーいわせながら卒業式で軽音部先輩達一人一人に小さな花束を贈った。

「上島君は正直ヤンキーみたいで怖かったけど底抜けに明るい性格で凄い楽しかったよ。君はきっと大物になるから将来楽しみにしとくね」

「せんぱーい!!好きっっっ!!」

優しい先輩達を一人一人抱きしめ無事見送った。

高校3年生となり新しいクラスで新鮮な気持ちになった。

俺の高校最後の年のテーマは全力で行こうと決めた。

先輩達みたいに人に優しく人の心に寄り添い面倒見がよく愛される人になろうと決めた。

後は他にも色々テーマを決めたが忘れた。

「なあ和寿、あの男子って今まで居た?たくさんの生徒の顔把握してるはずなんだけど初めて見る気がして」

教室の入り口の近くに座ってる男子を見かけた。

「ああ、松本君ね。なんか体調があんまり良くないのかちょくちょく休むみたいだよ」

「そっか、修学旅行とか体育祭とか出てないよね?」

「いや、そこまでは違うクラスだったから知らないよ」

一人ぼっちの子をみんなと打ち解けさせたい。

みんな仲良くして学校に楽しい思い出を残して欲しい。

通称、『上島剛のお節介センサー』がビンビンに反応し始めた。

1ヵ月様子を見た。

感想

おとなしい

ご飯食べる時も食べた後も、いただきますごちそうさまじゃなくて毎回ありがとうって言う。なんか変なの。

後、ビビられて俺避けられてる?ちょい悲しい。

話しかけようにも避けられてるから中々上手く行かない。

早く仲良くしたい、1日でも早く彼の事を知りたい。

俺は多少強引ではあるがきっかけ欲しさに当たり屋みたいな事をした。みんなは真似しないでね。

「わわわ!」

そう言って尻もちつかせた。