翌日の放課後。

学校の門の外にバイクに乗ったのが教室から2人見えた。

一人は栗原だと遠目でも分かった。

教室内がザワザワしてた。

「何あれ?ヤンキー?こわっ」

「ごめん、俺のせいだわ」

クラスの人達に謝って、早く退かさないとと思いマッハダッシュで校門へ近づいて声をかけた。

「なんだよこんな遠くの高校まで何しに来てんだよ暇してんのかよ」

栗原は俺から話しかけられたのがビックリしたのか驚いた表情でニヤニヤした。

「そういやお前ここの高校だったな。ちょうどいい、お前にも紹介してやるよ」

そんな栗原の口には禁煙パイポを咥えていた。

栗原がもう1人の仲間に声を掛けたらそいつは立ち上がりこっちを向き話しかけてきた。

「よう!久しぶりだな」

「健太?」

もう一人は健太だった。

「昨日、前田が剛をやったって聞いたけどよ。なんでお前あんな雑魚にやられてんの?」

そう言うと健太はタバコのセブンスターに火を付けこっちに息を吹きかけてきた。

(煙を相手に吹きかけるのは今夜どう?って合図なんだけど)

少年院から出た健太は反省の色なんて見えず相変わらず悪に拍車がかかってるようだった。

頭をぽりぽりかいて特に言葉を返さずにいると健太は続けた。

「お前の事だからウチのチームの奴らを早々とやり返しに来るだろうからわざわざこっちから来てやったんだよ。お前こんな坊ちゃん高校に通ってんだな、ダセェ」

「やり返ししねぇよ、ほっとけよ」

「なに?びびってんの?俺一人で相手してやるよ?ウチの中学の俺達の年代を代表するのが翼やお前みたいな真面目君ってのが気にいらねえんだよ。代表は俺か栗原だろ?」

「健太…喧嘩する事でこれ以上親を悲しませたくないんだよ」

そう言って俺は歩き始めた。

「悲しませる親もう居ねえじゃん」

歩く俺の後頭部に直撃するような言葉が聞こえた。