栗原に会ってから市内に出る度に昔のろくでもない知り合いに会うんじゃないかと危惧していたが、特に何事もなく2年生となった。

「なぁ、ラブスモーカーズって覚えてる?」

翼から久々に電話がかかってきた。

「知らん、バンド?」

「いや、広島の暴走族チーム」

「あー!栗原が頭の女神のチームか!あれまだあったの?」

俺は笑いながら聞いた。

「昔、天下一武闘会って中学生狩るのあったじゃん?今も似てるような事をしてるみたいで、少しでも栗原達のチームが名前あげようとチーム内で対抗して色々な喧嘩自慢狩ったりしてるみたいだから気をつけてな。剛の名前も上がってるみたいだから」

「でも俺もう真面目君だからブランドなんてないぜ?」

「向こうはそうは思ってないよ」

正直めんどくせえと思った。

けど夜中に街中に遊びに出たりしなけりゃそんな絡まれたりする場面もないだろうと思ってた。

ちなみに最近は日曜日に軽音部の先輩達と街中に買い物に出たりしてた。

音楽機材や楽譜CDなどを見て、お昼はハンバーガーを食べるのが流れだった。

そして部長はハンバーガーの女性店員さんで気になってる人が居るようだった。

「はぁ可愛い」

「確かに綺麗ですよね」

その人は見た目から高校生ではないだろうなと思ってた。

少し大人びた見た目に色気があり高校生の俺達は鼻下が伸びまくっていた。

きっと彼氏居るんだろうし歳下には興味ないだろうし話しかけたりはせず、見るだけで良かった。

高校2年生の6月となり3年生の引退が近いてきた頃、部長といつものように買い物を見てまわりハンバーガーを食べた。

「中々良い買い物出来た」

「良かったですね」

「もうちょっと見て回っても良い?」

「良いですよ」

目当ての女性も見れて満足した部長はもう少しお店を見て帰りたいと言うので付き合った。