◇◇



三週間後。期末テストが終わった七月。



「須川! ごめん! いとこんち、もう猫飼ってるって。マジごめんな」

「そっか……わかった。ありがとう」



登校して一番、クラスメイトの男子が報告してきた。


張り紙を貼って一週間以上が経過した月曜日。

このように、クラスメイト達や部活の先輩達から知らせを受ける日が続いている。


猫が好きな人はいるけれど、飼いたいと言う人はまれ。


いたとしても、保護猫は飼う条件が厳しいと言われているらしく、抵抗があるようで。

今のところはなかなかいい返事は来ていない。


母によると、市瀬さん達も同じ現状なのだそう。


それもそうだ。
お金と時間、体力、最後まで面倒を見る覚悟がないといけないからね。



授業を四時間受け、昼休みの時間。

昼食を終えて友達と談笑していると、教室に校内放送を知らせる音が鳴り響いた。



“一年一組、須川湊士郎君。至急職員室まで来てください。もう一度繰り返します──……”