花畑から歩き出すと、真岸が微笑みながら待っていてくれた。

さっそく、玲と咲は真岸の運転で会社に向かう。

咲は玲に共同経営者として、一緒に会社を支えてほしいとお願いした。

時間が足りなかった。
判断するのに、誰かの助言や後押しが欲しかった。

そのために、玲という存在は必要不可欠だ。
咲の秘書兼護衛係として勤めている時から、玲は会社のことを見て来た。

「ずっとお待ちしていましたよ。」
真岸が助手席から後部座席に座っている玲と咲に話しかける。
「私も、会いたかったんです。あとでゆっくり時間をください。」
真岸の言葉に玲が咲の方を見ると、玲に頷いた。

「お嬢様の許可がおりたので、時間作りますよ。」
「もう、その呼び方はやめて。」
咲が微笑みながら玲に言う。