「売り上げが5%上がってるな。」
「はい。」
「この調子だ。」
「ありがとうございます。」
広い広い食堂。
大きなテーブルに向かい合って座るのは宮ノ内グループ代表である宮ノ内政信。
その正面に座るのは娘であり化粧品メーカーと製薬会社の社長をしている宮ノ内咲。

「コーヒーです」
「ありがとうございます。ミルクもっといただけますか?」
咲が給仕に伝える。
「はい。こちらにご用意しております。」
いつもコーヒーにミルクをたっぷりと入れる咲をよく知っている給仕がミルクを追加で用意すると正面に座っていた政信は深くため息をつく。

「甘いな、お前は。」
政信の言葉に咲はふっと笑う。
「これが私ですから。」
はっきりという咲を見て政信はふっと笑った。