咲の手を握りながら、咲の手をさすりながら、玲はその時を待った。

咲が立ち上がる勇気をいっぽ踏み出した時、玲は咲を見つめて精一杯微笑んだ。

大丈夫。
大丈夫。

とそのメッセージが咲に届く。

何度だって立ち上がれる。
何度だって・・・。

咲は玲に微笑み返しながら頷く。

言葉なんていらない。
いつだって玲と咲は通じ合って来た。

言葉にできないような大きなものを背負った二人。
だからこそ、言葉がなくても気持ちが伝わりあっている。