「じゃあ、今年度のエクセレントに、改めて乾杯」

「乾杯ー!」


刹那くんの掛け声に合わせて椿くんが声を乗せ、カチン──とぶつかり合う4つのグラス。


寮に帰って夕飯の時間。

ダイニングテーブルに並ぶのは、おしゃれなお皿に盛りつけられた豪華な料理。

メインはステーキで、マグロのカルパッチョや、ポタージュスープにガーリックトースト。

中央には、カニが山のように盛られている。

真っ赤に茹で上げられて、まだ湯気が立っている。

今日は始業式、そしてみんなが揃ったからということで、豪華な食事らしい。

まるで、レストランに来たみたいだ。


「くーっ、炭酸すげーこのジンジャエール」


見た目シャンパンの中身はジンジャエールで。

椿くんの言う通り、その炭酸の強さに私も顔をゆがめる。