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「はあ? なんだよこれ!」


寮に帰ってその紙を見せると、椿くんは目を吊り上げた。


「なるほどな……生徒会もグルってわけか。俺たちが寧々ちゃんの応援に回らないようにだろ? これって完全に向こうが有利になるように作られたやつじゃん」


アメを手に取ると、乱暴に包みをむいて、口へ放り込む。

いつでもどこでも食べられるように、リビングのテーブルの上には、椿くんのためにアメ専用の箱が置いてあるのだ。


「表立って応援できなくても、俺たちは寧々ちゃんを応援してるから!」


今日はいちご味みたい。

甘くていい香りが漂ってくる。


「私がローズで居ようと思うことが間違ってるんだよね。勝ち目なんてもともとないのに」