ここへ来てから、私まともに眠れてない気がする。

すっきりしないまま、強制的にアラームで起こされた体をなんとか起こし、お弁当を作って。

昨日みたいに、職員さんたちがやってきて、一緒にテーブルの上に朝食を並べた。

座っていてくださいと言われたけど、見ているだけじゃ申しわけなくて。

だって、私はお嬢様でもなんでもないんだから。


「おはよう、寧々」


一番最初にやって来たのは刹那くんで、朝から神々しいオーラをまとっている。


「お、おはよう」


上品にコーヒーをすするこのたたずまいは、昨日の甘い刹那くんとは別人で。

『寧々の上、気持ちいい……』

あの妖艶な目とセリフを思い出せば。

ボッ。

顔に火がつくのは一瞬だ。