そして翌朝。

「……おはようございます」

 あくびをしながら部屋を出る。

 ふああ、昨日、慣れないアルバイトをしたせいでクタクタだあ。

 食卓には、もうすでに悠一さんと秋葉が座っていた。

「おはよう、花帆ちゃん」

「おせーぞ花帆」

 優しい笑顔の悠一さんと渋い顔の秋葉。

 イケメン二人と食卓を囲むのは、やっぱり緊張するなあ。

 そんなことを考えていると、秋葉に新聞でぺしっと頭をはたかれる。

「おい、バ花帆(ばかほ)

「バッ――」

 バ花帆って何!? 変なあだ名付けないでよ!

 私が秋葉をキッと睨むと、秋葉は呆れたような顔をして言った。

「早いしないと遅刻するぜ」

 私は慌てて時計を見た。

「……いけない!」

 急いで朝ご飯と着替えを済ませ、家を出る。

「ほら、急ぐぜ」

 腰に手を当てて仁王立ちする秋葉。

 別に先に行っててもいいのにな。
 
 そう思いながら時計を見ると――うひゃあ、本格的にヤバい!

 早くしないと、遅刻しちゃうよぉ!

 私たち二人は、並んで学校へと駆けて行った。