「……ん」

 見慣れない天井で目を覚ます。

 鮮やかなグリーンのカーテン。

 その隙間から、柔らかな春の日差しが差し込んできた。

 ぼんやりと昨日の出来事を思い出す。

 そういえば私、和菓子屋で働くことになって、この家に引っ越したんだっけ。

 と突然、昨日、秋葉に裸を見られた時のことがフラッシュバックしてくる。

 ダメダメ! 

 ほっぺたを両手で叩いて昨日の記憶を追いはらう。

 あれは……そう、事故!

 それに、秋葉ぐらいモテる男の子なら、もっとキレイでグラマーな女の人の裸を見なれてるはず。

 私の裸なんて……って考えているだけで落ち込んできたからやめよう。

 男の人と住むなんて未だに信じられないけど、何とか慣れなきゃ。うん。

 私は鏡で寝ぐせを確認すると、そっとリビングへと続くドアを開けた。