それから私は、叔母さんと暮らしながら、なんだかんだで兎月堂のアルバイトも続けてる。
 

 そして――。

 時は流れ、秋葉と付き合いだして初めての十二月。

 乾いた風の吹く街に、クリスマスソングが流れてくる、そんな季節。

 今日はバイトが休み。

 私は莉茉ちゃんと一緒に、新しくオープンしたパスタ屋さんにやって来た。

「わぁ、オシャレなお店」

 リースのかかったドアを開けると、正面にはキラキラ輝く大きなクリスマスツリー。

 レンガの壁には、サンタクロースやトナカイ、雪だるまのかわいいオブジェが飾られている。

「私はこのほうれん草とサーモンのパスタにしようかな」

「じゃあ私はカルボナーラ」

 注文を終え、二人てパスタが運ばれてくるのを待っていると、急に莉茉ちゃんが真剣な顔になり、切り出した。

「実は私、クリスマスを清ちゃんと過ごすことになったの」