「はー、この部屋とも今日でお別れかあ」

 ダンボールに荷物をつめ、ガムテープでふさぐ。

 荷造りしていて気づいたけど、叔母さんの荷物はほぼ無かった。

 あるのはほとんど私の荷物だけ。

 叔母さん、本当に帰って来ないつもりなんだ。

 勝手に部屋を解約していいのか迷ったけど、ようやく気持ちが吹っ切れた。

 まあ、いいや。

 私は私で、新しい環境で頑張ろう。

 引越し作業を一段落させ伸びをすると、インターホンが鳴った。

「はーい」

 ドアを開けると、店長さんと卯月くんが立っていた。

 今日はお店がお休み。

 二人は、わざわざ私の引越しの手伝いをしに来てくれたんだ。

 何だか悪いなあ。