「あの、何でしょうか? もしかして、秋葉と本当に別れたのかってことですか?」

 私が身構えながら口を開くと、戸波さんがジロリと私をにらんだ。

「それよりも……あんた、本当に秋葉くんの彼女なの?」

「えっ」

 本当の彼女なわけないじゃん。

 そう思ったけど、秋葉の許可もなく本当のことを言ってもいいものやら……秋葉、絶対に怒るよね。

 私は消え入りそうな声で答えた。

「あの……一応、彼女です。ちゃんと付き合ってますし、別れてません」

 すると戸波さんはガンと転がっていたバケツを蹴った。

「そんなのウソよ!」

 ひえっ!?

 こ、怖ぁ!

「ねえ、サユリ、ユリア、そうなんでしょ?」

 ボス女子が振り返ると、茶髪のクルクルヘアーとボブヘアーの双子がずいっと前に出た。

 あっ、この子たち、以前兎月堂に来た子たちだ……!

「はい、そう思います」

「この子、秋葉くんと同じバイト先で働いてました」

「たぶん、この子はバイト先を知られたくない秋葉くんの弱みを握って、彼氏のフリをさせてるんだと思いまぁす!」

 言い放つ双子。

 な、何でそうなるの~!?