病棟看護師は、日勤と夜勤があった。
 
ある日、
 私は、日勤のため、病棟に行った。
すると、同期が夜勤だったらしく、
私に駆け寄ってきた。
「おはよう。楓。」
「おはよう。いつも夜勤明けはドンヨリ空気の有希がどうした?テンション高いやん。」
この人は、浅田有希。看護学校時代から一緒で、入職後、一緒の部署に配属された。女子って感じの子で、サバサバ系の私にはなんか面白くて好きなのだ。

「あのね。聞いて。」
「だから何?」
「特別室に俳優のRYOTAが入院してるんだって。私が、担当になりたかったのに、私担当いっぱいで、ダメで、楓になったの。ズルい。」
「誰?それ?」
「知らないの?今一番人気のRYOTAだよ。」
「すいません。俳優とかわんない。ドラマ見ないし。」
「そうだよね。楓は、ニュースか音楽聴いているかだもんね。」
「そう。興味なし。」
「ああ、ズルい。」

「で、何で入院したの?」
「胃潰瘍だって。」
「じゃあ、1週間は入院するじゃん。よかったね。でも、なんでうちの病院なの?」
「なんかね、この辺で撮影してて、急に具合悪くなって倒れたんだって。で、ここに運ばれてきて入院が必要だから、特別室が空いてたからこのまま入院していくらしい。」
「へー。」
「おい、興味持て。」
「はは。」
ミーハー女。可愛いな有希は。
ってか、そういうの面倒かも。気を遣うやん。