「この服かわいいっ!あ!歯ブラシセットも買わなくちゃ!お風呂セットもっ!!
わぁ!向こうにペットショップあるよ!」


「エマお嬢様、お待ち下さい。迷子になってしまいますよ」


「ハヤセ早く早くっ!早瀬なんだから遅かったら遅瀬になっちゃうよ!!」


「……」



高級百貨店に来た、わたしとハヤセ。

服屋さんから雑貨屋さんを次から次に回って、お買い物を楽しんでいた。


そう!!それは来週なのだ!!

高校生の一大イベント、修学旅行!!



「ねぇハヤセ、わんちゃんって首輪とかリードとかあるけど…嫌じゃないのかなぁ」


「安全のためですからね。放し飼いにして事故に遭ってしまったほうが辛いでしょう」



クロとシロと小林は猫ちゃんだから、そーいうものはとくにしてない。

それに3匹が暮らす裏庭は、一応は聖スタリーナ女学院の敷地内だから安全。


───と、そんなペットショップに小さな男の子を連れたお母さんが来た。



「えっ、ハヤセ見て!あの子ハーネスとリード付いてるっ!」


「……本当ですね。最近は迷子防止に増えていると、確かに聞いたことがあります」