高校に入学して、早いもので一ヶ月が過ぎていた。

入学を機に思い切って肩まで切った髪も見慣れてきた。

たまたま早く目が覚めて、いつもより早く学校へ着いた。

時刻は七時三十分。

遅刻はしないけど、早く来ることもない。そんな私がこんなに早く学校にいるのは、非常に珍しいことだ。


昇降口へ行こうと保健室の前を通ったとき、そこにある花壇の前にしゃがんだ、一人の男の人が目に入った。

細くて高い鼻筋に、白い肌。さらさら過ぎないくせのある黒髪に長いまつ毛。

……なんて、綺麗な横顔なんだろう。