「ふぁ〜…ねむーい…」






口元を手で隠しながら大きな欠伸をする。




「莉子、右京の観察はもうやめたの?」






紬の問いかけに目をそらす。





「夏休みが明けて1週間…莉子の口からあいつの名前が出たことなかったけど、嫌いにでもなった?」



「…そういうわけじゃないんだけど」



「そろそろ目覚ましたら?あいつはやめときな。傷つけられて終わりなんだから」



「……」






そうなんだよね。





傷つけられっぱなしだ。




なのに……それなのにっ…