今は、こいのぼりが青空に泳ぐ季節。



6限目のチャイムが教室に鳴りひびくと、熊野先生が黒板に何やら書き始めた。



そのまま書く手を目で追っていると、チョークの音はとまり。



熊野先生が、少し横にずれて立つと、黒板にはでっかく“プールそうじ”という文字が。



えっ、うそ。
もうそんな時期だっけ。



「来月の中旬くらいには、プールの授業が始まる。それでだな、そうじをしてくれるヤツはいないか?」



熊野先生の言葉に周りを見わたすも、誰ひとり手をあげている人はいなかった。