それは、3時間目の体育の授業中に起きた。

 この日はバスケだった。

 体育は男女別々だけど、男子も隣のコートでバスケをしてた。

 だから、他のチームどうしが対戦してる間は、観戦してるフリをしながら、こっそりハルト君の姿を盗み見ることができた。

 ハルト君は、3年生がこの夏で引退した後の、バスケ部の新エース。

 他の男子たちとは、動きが全然、違う。断然、カッコいい!

 ピーッ!

 試合終了のホイッスルが鳴った。

 次は私のチームの番だ。もうちょっとハヤト君のこと見ていたかったなー。

 残念な気もするけど、気持ちを切り替えないとね!

 文化系で、はっきり言って体育は苦手なん
だけど、ハルト君にみっともないところを見られたくない。

 がんばらなくっちゃ!

「ツムギ!」

 試合開始早々、パスが来た。

 私は、バスケットゴールを狙う。

 どうか…どうか、外しませんように!

 ボールを手から離した、その瞬間……

 ?? 何が起きてるの???