「ちょっとまってよ!」



「はい?」




山積みになっていたダンボールを開け出した男に声を荒げる。




「私は許可してないんだけど…!」



「許可、ですか?
でもあなたのお父さんから許可はちゃんともらってますが」




あのクソ親父…!!!




どうやらこの男、私のお父さんと同じ会社に勤めているらしく、ちょうど家を探していたみたいで。



それでお父さんが私の住むこの家を紹介したそうだ。




お父さんは私の一人暮らしにずっと反対していたから、この男と一緒なら安心だと思ったのだろう。




どれだけこの男を信用しているんだ。




どう考えたって一人暮らしより、この男と住む方が安心できなくない?




「ちょっと、お父さん!」




携帯でお父さんに電話する。




『お。その調子だと島崎(シマザキ)が来たみたいだな』




どうやら、あの男の名前は島崎って名前らしい。




「どういうこと!?てかなんで勝手に決めつけてんのよ!!」



『心配なんだよ…一人暮らしはさすがになぁ…。だが島崎と一緒なら安心だ!』




いやいや全然安心じゃないから。
逆に危ないから。




こんな誰か知らない人と暮らすなんて危険の塊だから。




「このクソ親父!!!」




最後にそう叫んで強引に電話をきる。




ダメだ、話にならない。




もうなんとかして追い出さなきゃ。