第七章 あなたをもうこれ以上愛せない
「少し遅くなっちゃったけど雪穂ちゃんハッピーバースデー!これ、私からのプレゼントね」
「えぇーっ!いいんですか、凪咲さん」
「早く渡したかったんだけど会う機会がなかったから、二ヵ月も遅れた誕生日プレゼントになっちゃったわね」
「いいんです!すっごく嬉しい、開けてもいいですか?」
「勿論、気に入ってくれるといいけど」
誕生日から、二ヵ月の時が過ぎた。 あっという間に九月の終わり。 もう夏だって終わりを迎え、秋の始まりを迎えた頃だ。
凪咲さんからご飯でも食べに行かない?と誘われ、お昼に都内のカフェで会う事になった。
彼女は海鳳と結婚してから、本当の妹のように可愛がってくれる。
「きゃーっ、素敵な腕時計。いいんですか?こんな高価な物を……」
中からはピンクの皮の可愛らしい腕時計が出て来た。