次の日の土曜日。

私は、今日は朝から、緊張のドキドキと楽しみのワクワクでいっぱいだった。



昨日の夜、音怜くんから着信があって電話にでると彼がこう言ってきた。

『恋人同士になったお祝いに、明日、川原動物園に行かない?』
『うん、いいよっ! 待ち合わせ場所はどこがいいかな?』
『駅の前でいいでしょ、電車乗って行くんだし』
『あっ、そ、そうだねっ! あ、明日楽しみにしてるよっ!』

すると、音怜くんは、ははっと笑ってから、電話越しにささやく。

『………うん、俺もつぼみちゃんに早く会いたいから、こちらこそ楽しみに
してるね』

私がその言葉でキュンキュンしているうちに、通話は途切れたのであった。

カーテンを開けて朝の日差しを浴びてから、ハンガーを手に取って服を見る。



昨晩、悩みに悩んで白地にピンクの花模様が散りばめられたワンピースと、
ボレロカーディガンというコーデに結果、落ち着いた。