――さてさて。
うるが感謝の気持ちを
膨らましている頃、
上品でパーフェクトな
ミルフィーユ王子はというと
バラに囲まれたお庭で
優雅に紅茶を飲んでいるかと言ったら
そんなことは無く……
「うぅぅぅぅぅぅ……。
すっごく勇気を出して
声を掛けたのにぃぃぃぃぃ……」
ガーデンにある椅子に座り、
頬をテーブルに押し当てての
半泣き状態。
「目を逸らされた。断られた。逃げられた。
僕ってどれだけ、
うるるんに嫌われてるの?」
普段の
異国の王子様みたいな優雅さは、
どこに逃げちゃった?
パーフェクト王子と勘違いしている人には
見せられないほどの、ヘタレ全開。