☆アメリside☆
ピアノの鍵盤に指を置いたまま
僕の体が固まった。
「う……、うる……るん?
急に……どうしたの?」
椅子からなだれ落ち
地面に倒れ込んだうるるんを、
驚きで開き切った僕の瞳が
捉えて離さない。
うるるんのまぶたが、閉じている。
体がピクリとも動かない。
これって……
うるるんの魂が、成仏したってこと?
そそ……そんなはずはないよね?
今すぐ、目を覚ましてくれるよね?
だって僕はまだ、
うるるんのために作った曲を
聞かせていないんだよ。
うるるんだって
『聞き……たい……です……』って
恥ずかしさで染まった頬を
手で隠しながら、
言ってくれたでしょ?