【study2:実習2日目】


「おはようございま~す。」

『・・・・おはようございます。』


100%元気な絵里奈と
100%寝不足なあたし


リハビリスタッフルームに入室する時の挨拶は雲泥の差。
でも朝からパソコンを開いて電子カルテを確認する先生達はそんな些細な差なんかに気にすう様子は皆無。
とにかく忙しそうなのだ。


「おはようございます。レポート、貰うね。」


それでもあたし達の姿を見つけた松浦先生は今日も爽やかな笑顔。
それに釣られて、昨日徹夜で書き上げたレポートを彼に急いで差し出した。


それなのに

「神林さんは岡崎に見てもらうことになっているから、岡崎に提出して下さいね。」

松浦先生の決定事項を告げるその言葉に朝一番から地獄に突き落とされた。

「あれ?伊織は?」

「リハビリ診察室で、朝ごはん中です。」

「森村先生と?」

「焼きそばパン食べてます。」

「まったく、あいつは・・・呼びに行ってくる。」


若手のリハビリスタッフの先生からそう告げられた松浦先生は溜息を漏らしながらリハビリ診察室へと向かう。



3分後。


「焼きそばパン、森村先生に奪い取られたじゃんよ~」

口を尖らせながら岡崎先生登場。


「お前、出勤打刻してから朝飯食うなよ。」

「しょうがないですよ、森村先生が一緒に食おうと誘うもんだから・・・」

「神林さんのフィードバック、頼むぞ。」

「はいはい。」


あきれ顔の松浦先生にふたつ返事をした岡崎先生は、あたしのほうに向かって右手を差し出す。
よこせと言いたげなその右手。

『あ、あたしは焼きそばパン、持っていません!』

「はっ?」