「精霊レヴィローラの大森林、私はそこに行く」

この方法しか今の私には為す術もないのだ、やらないという選択肢は私には持ち合わせていない。


ただ落ちこぼれの私一人でそこに行くというのはモンスター達に襲われ、そのまま命を落とすという残酷すぎる結末を迎えるだろう。


だったらどうするか、そんなの簡単だ。


「さ、さっき私は貴方達を助けた。その恩を返してほしいの!」


なんとまあ強引で自分勝手だろうとは思う、けどこうでもしないと目的地に辿り着けない。


護身術を身につけているわけでもなく、攻撃魔法だって取得していない私には危険すぎる旅路になるのだから。


ところがどうだ、目の前に腕の立つ騎士団の隊長様がいて、知恵のある魔道士がいる。


こんな二人を放り投げてしまう方が勿体ないし、ここはお互いの利益のために手を組むべきよ。



「……は?」



突然の申し出に先程の私と同じように理解出来ていない顔で、ジルが私を見つめた。