久我君とちゃんと話してから、二日が経とうとしていた。

 本音をさらけ出したからか、今までとは違う気まずさを感じて、結局、久我君に話しかけられないでいた。

 そして、久我君にあんなことを言われたのに、私はなにも変わっていなかった。

 やっぱり、私には無理だったのかもしれない。今更、自分のやりたいことなんて、思いつかない。

「真央、最近ずっと暗い顔してるけど、なんかあった? おじさんたちがまた無茶なことでも言ってきたりとか……」

 昼休み、一緒に弁当を食べていたら、星那が心配そうに言ってきた。

「ううん、違うよ」

 お父さんたちになにか言われたわけじゃないから、本当のことを言ったはずなのに、どこか嘘をついているように聞こえてしまう。

 星那もそう感じたみたいで、まだ安心してくれていない。

「……いろいろあって、私には夢とか目標がないんだなって改めて思い知ったというか……」

 ここで久我君と話した、なんて言ったら、星那の意識がそっちにいってしまいそうだったから、あえて伏せた。

 それを聞いて、星那はなにか考え始めた。

「星那?」
「いや、私も目標とかないなと思って。そんなに暗くならなくてもいいんじゃない? そのうち見つかるでしょ」