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「ホンットに! マジで心配したんだからな!?」

 夕日も落ちてもうすぐ暗くなるであろう帰り道、わたしは半泣きの眞白に叱られながら歩いていた。

「うん、ごめん。本当にごめんなさい」

 わたしは返す言葉もなくひたすら謝る。


 時計塔の管理室でギンとキスをしてしばらく。

 日もほとんど落ちかけた頃、スマホに着信がきたことに気づいた。

 ハッとして画面を見た瞬間しまったと思った。


 眞白を待たせてしまった、と。

 電話に出て、心配され叱られながら時計塔にギンといることを話す。

 そうして電話を切った後で通知を確認して無言になる。


 着信の通知が他にも何度か入っていたんだ。

 メッセージも『どこ行ったの?』『大丈夫なのか?』などと続いている。

 これはかなり心配をかけてしまっただろう。


 ギンの方にも『義姉さんと連絡が取れない。もしかしたら攫われたのかも!?』とか連絡が入っていたらしく、2人で顔を見合わせ無言になった。

 結果、迎えに来てくれた眞白に2人揃ってごめんなさいと頭を下げることとなった……。


「兄さんも兄さんだよ! 一緒にいるなら早く連絡くれればいいのに!!」

「……ごめん」