『香鈴!早くしろよ!』
私は雅斗の声で急いで家を出た。



いつものように馬鹿にされながら学校に行った。





学校に着くと昨日友達になった宮日咲悠(みやびちひろ)がいた。



咲悠は私をみると笑顔で
『香鈴―おはよぉー!』
と手を振ってくれた。



私は雅斗に声をかけて咲悠のところに行った。



咲悠としゃべっていたら雅斗と知らない男の子が話しかけてきた。



雅斗は私に
『香鈴、ちょっと今いい?』
いつもより優しく話しかけてきた。


「う…うん」
驚きを隠しながら答える私の手を引いて屋上まで無言で歩いた。



屋上にきてはじめに喋ったのは知らない男の子だった。



雅斗はフェンスにもたれながら携帯をいじっていた。


『俺、谷村翔だ。君名前なんて言うの?』
その男の子は少しためらいながら聞いてきた。


「何で答えなきゃいけないの?」
                   私がわざとらしく聞くと男の子は笑顔で
『気になるから。』
と即答した。