静かな部屋。 ただ聞こえるのは、余裕のある、男の息づかいと、 「…ん…っ…―あ…っ!!」 それとは対照的な、息継ぎのタイミングさえ忘れた、あたしの吐息で。 自分でもイヤになるくらい、甘ったるい音が漏れ続けている。 あぁ…もう…、 思わず手のひらで両耳を塞いだ。 今だけ。今だけでいいから、音が消えてほしい…。 と……、 「なに、やってんだ。」 あたしを見下ろす、冷たい、目。 .